誠一庵 — Seiichi Tsuchiya

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EP.005

ノミ跡に宿る、心を癒すお地蔵さん

ノミと石刀だけで彫り上げる。日本に数少ない手彫り職人が彫る、心に寄り添うお地蔵さん――土屋誠一(誠一庵)

Carved entirely by chisel and hammer — hand-made Jizo statues that comfort grieving hearts, by Seiichi Tsuchiya of Seiichian

静岡県島田市のアトリエで、ノミと石刀(せっとう)だけを使い、手彫りでお地蔵さんを彫り続ける石彫作家・土屋誠一さん。機械や輸入品が主流になった今、純粋な手仕事だけで石を彫る職人は「ほとんどいないんじゃないか」とご本人も語ります。

土屋さんの作品には、磨き上げない「ノミ跡」がそのまま残ります。石は磨くと冬は冷たくなりますが、ノミ跡はザラザラとして手に馴染み、冬でも冷たくない。そこに、日本人の心にどこか馴染む"味"があるといいます。

お客様の多くは、大切な家族や友人を亡くしたあと、しばらく時間が経ってから土屋さんのもとを訪れるそうです。水子地蔵を求める方、展示会でふと足を止めた方――それぞれが、亡くなった方の分身のような存在をお地蔵さんに重ねているのかもしれません。届けた先で、遺族と一緒に飾り方を考え、涙ながらの会話が続いたこともあるといいます。

海外での展示経験もあり、イタリア・フィレンツェやアメリカ・ボストンでは、お地蔵さんを知らない外国人観光客に向けて、自作の英語「Japanese Small Buddha」で説明したことも。石彫り体験も受け付けており、国内外から島田市を訪れることも、逆に出張することも可能とのことです。

「絶滅危惧種」と自ら語る手彫りの技術と、お地蔵さんが持つ癒しの心を、これからも世界に伝えていきたい――90歳まで彫り続けると決め、毎朝縄跳びで足腰を鍛えているそうです。

【ゲストプロフィール】
土屋誠一 / 誠一庵
静岡県島田市を拠点に、ノミと石刀のみで手彫りのお地蔵さんを制作。大切な人を亡くした方の心に寄り添う作品づくりを続けて約35年。

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